北海道は夢とロマンの大地である。本州は亜熱帯気候帯であるが、北海道は亜寒帯気候帯である。そのためポプラ、エルム、カラマツ、トドマツなど独特の針葉樹が見られる。また、動物分布も本州と異なりキタキツネ、エゾシカ、キタサンショウウオなど本州にはいない動物が存在する。
明治時代北海道開拓使が設置され、官主導で北海道開拓が断行された。開拓の歴史は厳しい寒さと自然との戦いであった。
札幌
札幌は開拓の主政策として最初に着手された。土地を碁盤の目状に区画し、それから建物を建築したので札幌の街は綺麗な碁盤状態である。札幌の語源はアイヌ語のサトポロ(広い土地の意味)に開拓使が札幌と当て字したものである。
新千歳空港から汽車で札幌駅に降り立つと、都会的で壮大な駅ビルに圧倒される。駅前通りを南下すると赤レンガの旧北海道庁が現れる。そして、目に触れるのが時計台である。大通り公園は札幌中心部を東西に横切り、散策、お喋り等で市民の憩いの場となっている。
札幌雪祭りは大通り公園で実施される。大小100個余りの雪像が陳列され、世界中から観光客が訪れる。札幌市は現在200万人の人口を擁し、近代建築のビルディングが並ぶ一大都市である。
札幌市郊外の旭山記念公園から札幌市中心部が一望できる。また、札幌市郊外に札幌開市100年を記念した100年記念塔が聳えており、開拓村が同じ敷地内にある。記念塔は高さ100メートルあり、開拓村は開拓当時の住居・生活用品が展示され開拓民の生活が偲ばれる。
道央
道央の洞爺湖町に位置する洞爺湖は湖の中央にある中島が特徴的なカルデラ湖である。北方にある羊蹄山を背景に見た洞爺湖は絶景である。同じく道央の千歳市にある支笏湖は湖底の地層が柱状節理という稀な特徴のカルデラ湖で、湖面で運転される遊覧船でこの柱状節理を鑑賞することができる。
「北の国から」で有名な富良野、そして美瑛は丘一面が花で埋め尽くされている。赤、白、黄色の斜面が観光客を迎えてくれる。美瑛のアトムの丘、ゼルブの丘には何万本というひまわりなどの花が植えられている。
道東
道東の最大都市は釧路市である。釧路市の釧路川にかかる幣舞橋は「霧の幣舞橋」として有名である。
霧がかかることで有名なのが摩周湖である。布施明の「霧の摩周湖」で一躍有名になり、年間1500万人が観光に訪れる名所である。流入する川もなく、流出する川もないのに湖面が一定の水位を維持している。人の手が一切入っておらず、桟橋や遊覧船などが全くない。切り立った崖に囲まれたカルデラ湖で、湖面の水はミステリーブルーと言われる青色である。昔からアイヌの人たちに神秘の湖と呼ばれて来た不思議な湖である。
摩周湖の西にある屈斜路湖は怪獣クッシーがいる、と評判になったが見た者はいない。美幌峠から望む屈斜路湖は絶景である。
足寄町には、北海道三大秘湖の一つであるオンネトー湖がある。一日に湖面が五色に変わる、と言われている。青色、緑色などに湖面が色どられるのを目にすることができる。
オホーツク沿岸の網走は流氷祭りが有名である。札幌の雪祭りには及ばないものの、冬に閉ざされた住民のエネルギーを感じられるイベントである。網走と言えば高倉健主演「網走番外地」で有名になった網走刑務所である。ソ連の南下を危惧した明治政府は網走・北見方面の道路完成を急ぎ、網走刑務所の囚人を土木工事にあたらせた。賃金を払う必要がなく都合がよかったのである。囚人は昼の重労働と冬は氷点下30度にもなる極寒の気候で死亡者が続出し、看守も殉職者が出ている。現在、網走刑務所は網走市中心部にあり、網走市郊外の天都山に博物館網走監獄が建築され観光客が訪れている。
函館
函館は言わずと知れた夜景の名所である。日本三大夜景と言われた美しい夜景がみられる。日本三大夜景は函館山・兵庫県摩耶山・長崎県稲佐山であったが、現在の新三大夜景は山梨県笛吹フルーツ公園・奈良県若草山・福岡県皿倉山となっている。
函館から南西約80キロの松前公園は松前城と桜で有名である。松前公園の桜は血脈桜(けちみゃくさくら)という品種で大柄の花びらが豪華な印象を与える。