常識を覆す

スポーツ

背面跳び

フォスベリー

1968年メキシコの首都メキシコシティーで開催されたオリンピックの走り高跳びで、アメリカの選手フォスベリーは常識を覆す跳躍をして世界を驚かせた。それまでの跳躍はベリーロールという腹でバーを越える跳躍であったが、フォスベリーは背中でバーを越えたのだ。バーは腹で超えるものという常識を覆す驚くべき新戦法であった。このオリンピックでフォスベリーは2メートル24センチのオリンピック新記録で優勝し、その後世界の一流選手は全員背面跳びに代わった。正に走り高跳びの革命であった。

月面宙返り

塚原光男

1972年ドイツのミュンヘンで開催されたオリンピックの体操で、日本の塚原光男選手は月面宙返りという新戦法を見せた。それまでの鉄棒の降り技は宙返りのみであった。塚原選手は2回宙返りに1回ひねりを加えたのである。まるで地球の重力の5分の1しかない月で宙返りをしているように見えることから月面宙返りと名付けられた。月面宙返りはミュンヘンの人々の度肝を抜き、団体優勝と鉄棒個人種目別金メダルをもたらした。塚原選手の努力と才能が花開いたオリンピックであった。

バックアタック

ヴォイトヴッチ

1976年カナダのモントリオールで開催されたオリンピックのバレーボールで、ポーランドのヴォイトヴッチ選手がバックアタックという新戦法を見せた。ネットから3メートルの所にアタックラインがあり、バックの選手はアタックラインの前でアタック・ブロックはできないルールである。バックに下がった選手は攻撃には一切参加せず守備に専念していた。ところが、ポーランドの選手はバックなのにアタックラインの前で踏み切って走り幅跳びのように前にブロードジャンプしてアタックを打ち、ネット下付近に着地したのである。バックの選手は守備に専念するもの、という常識を覆す驚くべき新戦法であった。

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