リーマン予想とクレジットカード

リーマン予想

リーマン予想

リーマンゼータ関数の複素零点はすべて実部が2分の1だろう、というのがリーマン予想である。リーマン予想は未解決であり、現代数学最大の難問である。リーマンゼータ関数は素数の無限積で表される。素数は無限にあり、分布は実に不規則だ。リーマンゼータ関数は多数の数学者達が日々研究しているが、その正体を容易には見せてくれない。リーマン予想が解決されれば素数の謎が解ける、と言われている。40桁位の数が素数かどうか瞬時に判定する公式ができたりする可能性がある。

ベルンハルト・リーマン
ベルンハルト・リーマン

クレジットシステム

三井住友ビザカード、Tポイントカードなどのクレジットカードに加入すると加入者に素数が割り当てられ、その素数に基づいて買い物決算や口座引き落としが処理される。この際の素数は7とか13などの素数ではなく、40桁位の巨大素数が使われる。素数は無限にある、との数学理論によりクレジットカード加入者が莫大な数になっても割り当てる素数はいくらでもある。また、15とか37などの数が素数かどうか判定するのは簡単だが、40桁位の数が素数かどうか判定するのは不可能に近い。この原理によりクレジットカードの情報が盗まれることなく、安全に買い物や予約に使えるのである。

クレジット開発会社の金庫には40桁位の巨大素数が保管されている。金庫の鍵は取締役以上しか持てないなど厳重に管理され、素数表の流出防止が図られている。

女性数学者
女性数学者

学会への参加

リーマン予想の議論がなされる整数論の学会は数年に一度開催されるが、クレジット開発会社の開発担当者が必ず出席してリーマン予想がどこまで解明されているか監視している。リーマン予想が解決され素数の謎が解明されると、クレジットシステムが崩壊するのだ。40桁位の数が素数かどうか瞬時に判定できる公式などができれば、クレジットカード情報がハッカーに読み取られることとなる。家庭の主婦が毎日の買い物でクレジットカードを使うことができなくなったり、ビジネスマンが航空券の予約をすることができなくなったりし、クレジット会社は倒産する。そのため、クレジット開発会社ではリーマン予想がどこまで解明されているか、学会に参加して研究の進捗状況を必ず監視している。

素数表
素数表

素数表の作り方

100以下の素数表を作るには、1から100までの数字を並べて、2の倍数を消し、3の倍数を消し、5の倍数を消し、7の倍数を消して最後に残った数が素数である。これだけコンピューターが発達した現代でも素数を一発で見つける方法はない。上記のふるい法で見つけるしかないのだ。

また、与えられた数が素数がどうかの判定は困難だ。試しに10桁の数 1,000,000,007 が素数かどうか判定するのに私のパソコンは10秒かかる。40桁位の巨大な数が素数かどうかの判定は、市販のパソコンでは膨大な時間がかかる。

この素数の性質を利用しクレジットシステムが構築されている。リーマン予想が解決されれば素数の謎が解明され、一発で素数を見つける公式や巨大な数を瞬時に素因数分解することが可能になるかもしれない。そうなればクレジットシステムが崩壊し、我々の暮らしは大きく変わってしまう。

RSA暗号

現在の軍事暗号はRSA式暗号が採用されている。アメリカ海軍が空母ロナルド・レーガンに対し、「日本海の北朝鮮沖に停泊せよ」などと出す指令はRSA暗号で送信されている。RSAは、暗号発明者の R.L.Rivest A.Shamir L.Adleman の3人の頭文字である。RSA暗号は巨大な数の素因数分解が困難なことを利用している。40桁位の数を素数の積に分解するには膨大な時間がかかる。

鍵となる数を受け取っている受信者は巨大な数の素因数分解を瞬時にできるが、鍵となる数を知らない傍受者は素因数分解に膨大な時間を費やしてしまうため、素因数分解ができた頃には情報の価値がなくなっている、という暗号方式である。

リーマン予想が解決され素数の謎が解明されれば、素因数分解が瞬時にできるような公式ができるかもしれない。そうなるとRSA暗号は使えなくなってしまう。軍事関係者もリーマン予想研究の進捗状況を見守っている。

参考 リーマン予想とゼータ関数

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