コロンブスの新大陸発見

冒険

コロンブス

1492年、コロンブスはイザベラ女王に対して「地球は丸い、西へ航海すれば東の果てインドに着くはずだ、船を買うお金と乗組員を雇うお金を出して欲しい」と嘆願した。

当時のヨーロッパではシルクロードを通ってインドとの交易が行われており、東洋についてはインドまでしか知らなかった。その先の中国、韓国、日本などは知らなかったのである。コロンブスは西へ航海すれば丸い地球を一周して東の果てのインドに着くものと思っていた。

当時は大西洋の彼方は巨大な滝になっていて、西の彼方へ航海すれば滝に飲み込まれ二度と帰れない、と信じられていた。イザベラ女王はそんな言い伝えに囚われず、コロンブスの斬新な考えに共鳴し資金を与えた。

新大陸の発見

コロンブスの一行は44日の航海の後、陸地に到着した。この陸地はキューバの南方に位置する島々であった。コロンブスはインドに到達したものと思い、この島々を西インド諸島と名付けた。コロンブスの一行は島々の住民を虐殺し、金銀を略奪した。スペイン王国との間で、新大陸の略奪品の1割がコロンブスの物となる契約が結ばれていた。

コロンブスは数度に渡る航海で、西インド諸島の先には大陸が存在するという確信を持っていた。コロンブスの後、ピサロ兄弟が率いるスペイン軍は新大陸を征服して回った。インカ帝国の首都クスコに到達したピサロ一行は、インカ帝国最後の皇帝ツパク・アマルを処刑しインカ帝国を植民地とした。インカ帝国の金銀財宝を略奪しスペイン本国に送った。この金銀財宝がスペイン国家経済を潤し、スペインは無敵艦隊を保有する7つの海の支配者となり、大スペイン帝国となった。

アメリカ合衆国の樹立

スペインの新大陸征服の話がヨーロッパに伝わり、イギリス、フランスなどの人たちの中から新大陸で新たな人生を切り拓こうとする人たちが現れた。西への航海で北米大陸の東海岸に上陸し、新天地を求めてまだ誰も入植していない新しい土地を目指し西へ西へと進んだ。広大な土地を耕し、麦、綿、大豆などの大規模栽培をして収穫した。

北米大陸には原住民がおり、原住民は土地の所有を主張しヨーロッパ人に対して土地を奪い返しにかかった。入植者は騎兵隊を組織して原住民に対峙し、命がけで土地を守った。また、グリズリーなどの新大陸独特の猛獣がおり、これらの脅威からも身を守らなければならなかった。原住民をインディアンと呼んだのは、コロンブスの影響で入植者が新大陸をインドだと思っていたのでインディアンと呼称したのだ。

新大陸に入植した人々は西へ西へと開拓し、新大陸の西海岸に到達した段階で西部開拓の歴史はひと段落した。ヨーロッパから新大陸に入植する人々が増え、新大陸の人口は急激に増大した。それぞれの地域が州を構成し、53州がまとまりアメリカ合衆国(United States of America)を樹立した。

アメリカ合衆国の人々は開拓者である。地元のイギリスやフランスにいて公務員になったり、親の会社を継いだりして楽な生き方をするより、裸一貫で新天地で土地を開拓する苦難の道を歩んだ人たちだ。アメリカ合衆国はそんな人々が樹立した国家である。わずか500年で世界のトップに君臨しているのは一人一人が開拓者だからである。ロシアや中国は4千年の歴史があるが、わずか500年の歴史しかないアメリカ合衆国に及ばない。

コロンブスが新大陸を求めて航海して数十日が経過したとき、船員の中から航海への不安を言い出す者が出て来て反乱が起きたそうであるが、コロンブスは必ず陸地に到達すると船員を説き伏せ新大陸を発見した。コロンブスの新大陸発見はスペインを7つの海の支配者に君臨させて大スペイン帝国を築き、アメリカ合衆国の樹立を導いた。新大陸発見は世界史に燦然と輝く大快挙であった。

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