コラッツ予想とは
ある自然数から始めて、その数字が偶数なら2で割り、奇数なら3倍して1を足すという演算を繰り返すと必ず1になる、というもの。
例えば3から始めると
3→10→5→16→8→4→2→1
また15から始めると
15→46→23→70→35→106→53→160→80→40→20→10→5
→16→8→4→2→1
となり、最後は1になる。
ドイツ人数学者コラッツは学生の頃からこの問題に取り組んでいたが、1950年世界数学者会議で取り上げられ有名未解決問題となった。
真偽
スーパーコンピューターの計算で2の68乗までの自然数についてコラッツ予想が正しいことが分かっている。しかし、コラッツ予想を証明した人はいないし、また反証も挙げられていない。
2の68乗までの自然数に対してコラッツ予想は正しいが、コラッツ予想が真であるとはならない。ポリア予想、メルテンス予想は真と思われていたが、莫大に大きな数になって反証が見つかった例がある。
賞金
2021年、株式会社「音圧爆上げくん」が、コラッツ予想を証明した人に賞金1億2,000万円を支払う、と表明した。同社の社長は数学好きで、コラッツ予想にできるだけ多くの人が取り組んで、証明して貰いたくて賞金を懸けたとのこと。
リーマン予想、ポアンカレ予想などのミレニアム懸賞問題は解ければクレイ数学研究所から賞金100万ドル(約1億5,000万円)がでるので、ミレニアム懸賞問題の賞金に匹敵する賞金が貰える。
コラッツ予想へのアプローチ
初期値が奇数の場合
初期値を2n+1として3倍して1を足すと6n+4となり、2で割って3n+2となる。
nが奇数だと3n+2は奇数なので9n+7となり、9n+7は偶数なので(9n+7)/2となる。(9n+7)/2が偶数となるのはn=(4m-7)/9の場合(n=5、9、13など)であり、(9n+7)/2が奇数となるのはn=(4m-5)/9の場合(n=3、7、11など)である。
nが偶数だと3n+2は偶数なので(3n+2)/2となる。(3n+2)/2が偶数となるのはn=(4m+2)/3の場合(n=2、6、10など)であり、(3n+2)/2が奇数となるのはn=(4m)/3の場合(n=4、8、12など)である。(9n+7)/2、(3n+2)/2はnの値に応じて偶数や奇数の値を取り際限のない場合分けが生ずる。
初期値が偶数の場合
偶数は(2のべき乗)x奇数の形なので、何度か2で割って奇数となる。あとは初期値が奇数の場合と同じ計算になる。
いずれの場合も際限のない場合分けに嵌まってしまい、ここで行き詰ってしまう。
現在最も活躍している数学者であるハンガリー人ポール・エルディシュとアメリカ人ジェフリー・ラガリアスは「コラッツ予想は現代数学の範囲で証明するのは極めて困難」と言っている。