クレーマーに対して「熊」送る
熊襲撃
2024年11月30日午前6時20分頃、秋田市土崎港にあるスーパーマーケット「いとく土崎みなと店」で、47歳の男性従業員が体長約1メートルの熊に襲われ頭に怪我をした。従業員は同僚に救出され、熊は店内に潜んでしまった。同店々長が外から店内を見たが熊は売り場には見当たらず、バックヤードにいるものと推定された。
12月1日、店内をドローンで検索したところ、売り場の食品や棚が荒らされていたが熊は発見できなかった。そのため熊はバックヤードにいるものと思われ、売り場とバックヤードを結ぶ出入口に箱罠を2か所設置した。
12月2日、熊は箱罠にかかり無事店外に搬出された。熊は55時間店内に居座った。その後、熊は猟友会により射殺された。
12月7日、いとく土崎みなと店は店内の片付けと消毒を終えて営業再開した。
クレーム
熊の射殺に関して秋田県鳥獣保護課などに対して
殺すのは可哀そうだ。山に放してやれば良かった。
などのクレームが24件寄せられ、中には長時間の電話をする者もいて業務に支障が出ている状況であった。
県議会での知事発言
12月17日、県議会予算特別委員会総括審査で熊の対応を質問されて佐竹知事は
「私がクレームの電話を受けたら相手を威嚇する。そして、『お前のところに熊を送るから住所を送れ』と応対する。」
と発言した。
これに対して県民やSNSからは
最高の上司だ、県職員も仕事がやり易いだろう。熊の脅威を知らないクレーマーにはこのくらい言っても良い。公職にある者の発言としては不穏当だ。
など賛否両論の意見が寄せられた。
議会後の記者会見で佐竹知事は
「本当に熊を送ることはできない。トップが毅然とした態度をとれば職員も仕事し易くなる。熊が自分の家の前にいたらどうしますか。人命が大事です。クレームには懇切丁寧に説明しますが、悪質な者には毅然と対応する両面作戦です。」
と説明した。
小坂町は貧乏だ
町民との意見交換会
2024年7月11日、小坂町で行われた知事と町民との意見交換会で、町の図書館などが老朽化し改築したらどうか、との町民からの意見に対して
「この町は金がないんだ、貧乏なんだ」
と発言した。町民や役場職員が多数いた席での発言であり、貧乏という表現に対してその場が凍り付いてしまった。
記者会見
翌日7月12日の記者会見で佐竹知事は、
「財政的に余裕がない、という意味で貧乏といった。財政が豊かでないので改修・建築費用が直ぐ出せない、と町を擁護するつもりであった。普段も東京は豊かで秋田県は貧乏、などと貧乏という語句を自然に使っているのでつい口にしてしまった。」
と釈明し、小坂町にも謝罪したことを報告した。
小坂町の反応
小坂町の岩沢秀一観光産業課長は、
「知事の発言は表現は良くなかったが、小規模自治体の財政は豊かでない、との意味であったと捕らえている。」とコメントしている。
四国料理はまずい
「秋田の未来を創る協議会」設立総会
2023年10月25日、秋田市で「秋田の未来を創る協議会」設立総会が開催された。秋田県商工会連合会々長が呼びかけ、県議会議員、市町村長、経済団体代表など約150人が出席した。
挨拶に立った佐竹知事は全国知事会議で四国に行ったときのことに触れ、
「秋田ほど酒や料理が美味い地域はない。それに対して四国の酒や料理はまずい。じゃこ天は貧乏くさいし徳島のどろめなんてひどい。」
と四国料理を貶める発言を繰り返した。
会議後の記者会見で佐竹知事は、「発言が不見識であった、四国の県民に申し訳ない」と謝罪した。
秋田県民の反応
佐竹知事の四国料理はまずい発言の報道を受け、じゃこ天やどろめなど四国料理を注文する秋田県民が続出した。注文書や注文のメールに
うちの知事が失礼なことを言ってすみません。
とのメッセージを添えていたそうである。飲食店では四国料理を注文する人が増え、四国料理コーナーを設ける店もあった。秋田県ではチョットした四国料理ブームが起きていた。
合同物産展
11月15日、佐竹知事の四国料理まずいの失言を受け、東京都千代田区で四国4県と秋田県の合同物産展が開催された。愛媛県中村知事、徳島県後藤田知事そして秋田県佐竹知事などが自県の自慢の料理・工芸品などを展示し、販売した。四国4県の知事と佐竹知事はトークなどで仲の良さをアピールし、自県の品々をセールスした。
愛媛中村知事は、「佐竹知事のお陰でじゃこ天が全国区となり、売り上げが急上昇した」と佐竹知事を持ち上げた。高知県馬路村のユズポン酢や秋田県のきりたんぽなどを詰め合わせた「なかよしセット」は開始前に完売したとのこと。佐竹知事は終始神妙な表情でイベントに参加していた。
プロフィール
1947年 秋田県角館町(現仙北市)生まれ 77歳 角館高校 東北大学工学部卒業 1972年 秋田県庁就職 1997年 総務部次長職を辞し秋田県知事選挙立候補するも落選 2001年 秋田市長選挙当選 2005年 再選 2009年 秋田県知事選挙当選 2013年、2017年、2021年に再選し現在4期目
特別職の人達は当たり障りのない発言をし官僚的な姿勢が目立つが、佐竹知事は歯に衣着せぬ物言いで本音を言う。たまに失言するが、本音と建て前を使い分けない率直な態度から来るものである。知事在職16年間で、人口減少という最大課題は克服できなかったが、企業誘致による雇用創出、子育て支援、経済対策など秋田県に多大な貢献をしてくれた。来年4月で勇退するのは残念である。