リーマン予想とチューリング

リーマン予想

エニグマ暗号

アラン・チューリング
アラン・チューリング

第二次大戦中、連合国軍はドイツ軍のエニグマ暗号を解けず、ドイツ軍のUボートやメッサーシュミットの攻撃を防ぎきれずにいた。そこでイギリス人数学者アランチューリングは、現代のコンピューターの原型となるマシンを作り暗号解読に乗り出した。エニグマ暗号のデータを収集し、マシンによる高速分析でパターンを解読しようとしたのである。マシンは高速で暗号のパターンを解析し共通点を抽出した結果、3か月後にエニグマ暗号を解読した。その後連合国軍はドイツ軍との攻防でじわじわと勝利するようになり、ドイツ軍は敗北した。ヒトラーは自殺へと追い込まれ、ヒトラーの第三帝国樹立の野望は頓挫した。チューリングは連合国軍の勝利の立役者である、と言われている。

リーマン予想

ベルンハルト・リーマン
ベルンハルト・リーマン

第二次大戦後、チューリングはリーマン予想に取り組んだ。リーマンゼータ関数の複素零点はすべて実部が2分の1である、というのがリーマン予想である。リーマンは手計算で4つの複素零点を計算しこの4つの複素零点の実部が2分の1であったことから、リーマンは複素零点はすべて実部が2分の1であろう、と予想したのである。チューリングはリーマン予想が間違っていることを実証しようとした。実部が2分の1でない複素零点を1つ見つけようとしたのである。リーマンが複素零点を計算した手法をマシンにインプットし複素零点を計算させた。マシンは手計算の数百倍・数千倍というスピードで複素零点を計算したが、見つけた複素零点はすべて実部が2分の1であったそうだ。チューリングがリーマン予想に取り組んで2か月が経った頃、チューリングの自室でチューリングの死体が発見された。部屋には青酸カリ溶液に浸されたリンゴがあったそうである。チューリングの死は自殺とされている。

コンピューター

コンピューターの発達により現在1兆5千億個のゼータ関数の複素零点が発見されているが、すべて実部が2分の1でありリーマン予想は正しい、というのが通説である。数多くの数学者がリーマン予想を証明しようとしたが、チューリングはリーマン予想が間違っていることを実証しようとした。チューリングが作ったマシンは後世の人達が改良を加え、コンピューターとして現代の必需品となっている。我々の生活のあらゆる分野にコンピューターは活躍しており、コンピューター無しに現代社会は成り立たなくなっている。

チューリングはホモだったとの話もあるが、彼が作ったマシンは私達の生活や社会に多大の貢献をしている。現代社会でこれほど豊かな生活ができるのはチューリングのマシンのお陰である、と言っても過言でない。

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