藤井直伸の死を悼む

バレーボール

全日本男子バレーボールのセッター藤井直伸が、3月10日胃癌のため逝去した。享年31歳であった。2021年末に目の不調を感じて精密検査したところ、胃に癌ができていて脳に転移しており、そのため目に不調が発生していたのだった。2022年2月の癌発覚から闘病1年で帰らぬ人となった。

藤井直伸について

藤井直伸
藤井直伸

藤井直伸はVリーグ東レアローズのセッターである。宮城県古川工業高校から順天堂大学に進学し、大学卒業後東レに入団した。2016-17シーズンのVリーグで、東レを8年ぶりの優勝に導くなどVリーガーとして顕著な実績を残した。また、2020東京オリンピックの代表メンバーとして戦い、ベスト8入りを果たした。

2021年8月東京オリンピック後、元全日本女子バレーボールのセッター佐藤美弥と結婚し順調な人生を歩んでいたのであるが、2022年2月に胃癌のステージ4であることを自身のインスタグラムで公表し、闘病生活を送っていた。

妻・佐藤美弥

佐藤美弥
佐藤美弥

佐藤美弥は秋田市出身である。秋田市立港北小学校でバレーボールを始め、秋田市立土崎中学校、聖霊女子短大付属高校でもバレーボールで活躍した。高校時代、インターハイ秋田県予選、春の高校バレー秋田県予選ではひたむきに、真面目に白球を追っていた。高校3年時のインターハイではベスト8に進出している。この時のエースアタッカーが、ロンドンオリンピック銅メダリスト江畑幸子であった。

東京オリンピック

2019年ワールドカップで、佐藤美弥は全セット先発出場し全日本の中心セッターの地位にあった。翌年の東京オリンピックでも正セッターとして活躍してくれるものと思っていたが、コロナの影響で1年延期となった。2021年1月に持病の腰が悪化し手術しか治療方法がない、との診断を下され佐藤美弥は引退を決断した。2020年に予定どおり東京オリンピックが開催されていれば、佐藤美弥がオリンピックの舞台で活躍していたはずであったが残念な結果となった。オリンピックでプレーしたい、と強い思いを持って練習に励んでいたのだ。

佐藤美弥
佐藤美弥

結婚生活

2021年8月に藤井直伸と佐藤美弥は結婚し、2022年2月に藤井の胃癌が発覚して闘病生活に入っている。結婚生活半年で結婚生活は闘病生活に代わってしまった。病室での藤井と佐藤美弥の様子がインスタグラムに度々アップされており、藤井の表情が明るくて、きっと全快してまたコートに返ってくるものと思っていた。

佐藤美弥と藤井直伸
佐藤美弥と藤井直伸

佐藤美弥は高校生の頃ひたむきに、真面目にバレーボールに取り組んでいた。私は秋田の大会で何度も佐藤美弥の活躍を目にしている。大学卒業後Vリーグ日立リヴァーレに所属し、Vリーグでもひたむきに、真面目にバレーボールに取り組み、Vリーグ準優勝を2度成し遂げている。

こんなに真面目に、一所懸命バレーボールに取り組んできたのに、東京オリンピック出場が叶わず、今度は33歳で夫の死に直面した。神様は不公平だ。真面目に頑張ってきたのだから普通の幸福が与えられても良いのではないか、と思う。

藤井直伸は、佐藤美弥を一人残して逝くことが心残りであったことだろう。佐藤美弥の今後の幸多かれと祈ることしかできない。

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