【快挙!】男子バレーボール銀メダル

バレーボール

2024バレーボールネーションズリーグで全日本男子は銀メダルに輝いた。1977年ワールドカップ以来47年ぶりの世界大会のメダルである。昨秋のワールドカップでパリオリンピック出場権を獲得しており、今年7月26日からのパリオリンピックに向けて追い風が吹いてきた。

石川祐希

石川祐希

キャプテンでエースアタッカーの石川祐希が充実している。アタック、サーブ、ブロック、サーブレシーブなどすべてのプレーで一流選手の動きである。迷いのない思い切りの良いスパイクと相手の指先を狙うクレバーなスパイクを使い分けている。

試合中は積極的なプレーでチームを引っ張り、味方選手に声を掛けて士気を鼓舞しており、キャプテンの役目を十二分に果たしている。今大会でベストアウトサイドヒッター賞を受賞したのも当然である。

関田誠大

関田誠大

セッター関田は天才的閃き型のトスアップで相手ブロックを翻弄している。30歳となり落ち着きが増したことでトスアップにも安定感が漂っている。ミドルブロッカーのクイックを使うタイミングが絶妙で、相手ブロックの意表を突くクイックを展開するのが特徴である。パリオリンピックで金メダルを取るためには関田のトスが必要不可欠である。

西田有志

西田有志

ライトからの強烈なスパイクが持ち味である。豊かなジャンプ力から強烈なスパイクで相手ブロックを吹き飛ばしている。スパイクを決めた後のガッツポーズが激しく、味方選手の士気を鼓舞しているのみならず、会場の観衆も味方につけている。

西田の繰り出すスパイクサーブは威力充分である。西田のサービスエースが決まるとチームが波に乗って行き、神がかり的な連続得点の起爆剤となっている。

ミドルブロッカー

山内晶大、小野寺太志、高橋健太郎のミドルブロッカーは早いクイックと高いブロックで得点を重ねている。相手セッターのトスを上げる地点を読み、コミットブロック、リードブロックを使い分けてブロックポイントを上げている。

山本智大

山本智大

守りの要である。正確なサーブレシーブは味方の攻撃をしっかり支えている。また、アタックレシーブでチームに貢献しており、山本のレシーブから2段トスを上げて攻め返して得点すると全日本を大きく波に乗せる役目を果たしている。

今大会では優勝したフランスのリベロを抑えてベストリベロ賞を受賞したことは大方の人が納得しているはずである。

大塚達宣

大塚達宣

高橋藍の負傷欠場のピンチヒッターとしてレギュラー出場したが、安定したサーブレシーブと高いスパイク決定率で及第点の活躍であった。また、サービスエースは多くなかったが、スパイクサーブが相手レシーブを崩すことが多かった。

宮浦健人、深津旭弘

ブラン監督が勝負どきに仕掛ける2枚替えで宮浦健人とセッター深津旭弘が投入される。宮浦は西田に勝るとも劣らないサウスポーアタッカーで、パワーでブロックを吹き飛ばす豪快なアタックが持ち味である。試合途中から投入されていきなり実力を発揮するのは至難の業であるが、宮浦は淡々と与えられた役目を果たしている。

深津は閃き型の関田と違い、味方のアタッカーが打ちやすい丁寧なトスを上げるセッターである。バックの3ローテーションの間だけコートに立つことが多いが、関田とタイプの違うトスワークで流れを変えてくれるセッターである。

レシーブ

全日本は全員レシーブで相手スパイクを拾い、2段トスを上げて石川、西田が攻め返すというパターンで波に乗っている。相手にスパイクを決められても必ずワンタッチしており、ノータッチで相手に気持ち良くスパイクを決めさせていない。全員で拾って繋いで攻め返して得点することで波に乗って勝ってきた。レシーブからリズムを掴んで、拾い負けしないことがパリオリンピックでのキーポイントとなる。

フェイクセット

全日本独自のフェイクセットという戦法は有効である。2ボールを石川などがアタックを打つモーションからライトにトスを振り、西田がノーブロックでスパイクを決める戦法である。世界のチームはフェイクセットを覚えてきており、石川などが2ボールでアタックを打つモーションをしてもブロックに跳ばなくなってきている。そこで、2ボールで実際にスパイクを打って決めるパターンを使っている。

全日本独自のフェイクセットは大きな武器である。パリオリンピックでは相手チームを攪乱して勝利を導くに違いない。

世界のバレーボールチームは2メートル台の選手を揃え、高いブロックで相手攻撃を力で封じる欧米型が主流である。これに対して全日本は低い身長で相手攻撃をレシーブしてトスにして繋ぎ、ブロックアウトやフェイントで攻め返して得点するアジア型バレーボールである。欧米の2メートル台の長身選手たちを全日本がレシーブできりきり舞いさせて金メダルを獲得して貰いたい。

タイトルとURLをコピーしました