【快挙!】女子バレーボール銀メダル

２０２４バレーボールネーションズリーグで全日本女子は銀メダルを獲得した。２０１２ロンドンオリンピック以来１２年ぶりの世界大会のメダルである。今年７月２６日からのパリオリンピックに向けて金メダルへのステップになった。

岩崎こよみ

セッター岩崎こよみはチーム最年長３５歳であり、結婚、出産、子育てを経験してトスに安定感が出ている。セッターほど人生経験がプレーに表れるポジションはない。豊かな経験がトスに反映されて、安定したトスワークで勝利を呼び込んでいる。

また、岩崎は超攻撃的セッターと言われているように隙あらばアタックを打つセッターである。２アタックを多用するセッターは数多くいたが、岩崎はアタックを打つセッターである。今までの日本のセッターにはいなかったタイプだ。高校までエースアタッカーを勤めていたのであるから当然のなりゆきである。

勝負が第５セットに突入しても岩崎は安定したトスを上げ続けている。準決勝ブラジル戦など第５セットまでもつれた試合でも終盤にトスがブレることがなく、最後まで冷静沈着なトスを上げ勝利をもたらした。パリオリンピックは岩崎のトスなくして金メダルはあり得ない。

キャプテンでエースアタッカーの古賀紗理那は決定率の高いスパイクと安定したサーブレシーブで勝利をもたらしている。更に、古賀のフェイントは周囲の状況をすべて把握して、余裕を持って相手コートの穴に落とす見事なプレーであり芸術品である。

試合中はプレーでチームを引っ張り、メンバーに声を掛けて士気を鼓舞しておりキャプテンの役目を十分果たしている。今大会でベストアウトサイドヒッター賞を受賞したことは当然である。

２０２１東京オリンピックの頃から数段上達した。東京オリンピック韓国戦でマッチポイントを握りながら石川があと１点を取れずに逆転負けを喫し、予選リーグ敗退という屈辱が石川を奮起させたと思われる。

強烈なアタックと巧みなブロックアウトが特徴である。また、古賀と共に安定したサーブレシーブでチームの攻撃を支えている。

小島はサーブレシーブのときコートに入り、福留はアタックレシーブのときコートに入る。２人でレシーブの中枢を担っている。小島は安定したサーブレシーブでチームの攻撃を支え、福留はアタックレシーブで反撃のチャンスを作っている。

また、２人はコートの全体の動きを俯瞰できる後方からセッターやアタッカーに指示を出し、的確な戦術をリードしている。

ミドルブロッカーの山田、荒木は高いブロックと早いクイックで相手を攪乱している。勝負どころでのブロックは大きく流れを変えて、チームに流れを引き込む起爆剤である。２人のブロックから連続得点が生まれることが多い。

２人とも１８４センチと身長に恵まれ、クイック、ワンレグ、ライトからのスパイクなど多彩な攻撃で得点を重ねている。

アタック、サーブ、レシーブどれをとっても一級品である。サーブレシーブを確実にセッターに返球して多彩な攻撃を引き出し、ライトからの巧みなスパイクで得点を取る職人である。今大会は外国チームの高いブロックに対してプッシュ攻撃を多用した。長身外国選手には効果的な戦術である。

勝負どころの２枚替えで和田とセッター関が登場する。和田は細身の体からは想像できないパワフルスパイクを打つ選手である。ライトからのバックアタックはブロックをはじき飛ばして流れを日本に引き寄せる効果がある。

セッター関はアタッカーの多彩な攻撃を引き出し、相手ブロックに的を絞らせない配球が特徴である。低くて速いトスを上げ、高速コンビネーションバレーを作り上げている。

井上は古賀、石川のアウトサイドヒッターが不調のときリリーフでコートに入る役目である。予選リーグ中国戦では石川に替わって活躍し、中国戦勝利を導いた。

宮部は身長１８０センチながら長い手足による高いブロックが特徴である。１９０センチ台の選手と同じ高さのブロックで相手攻撃を封じるブロックを見せてくれる。ミドルブロッカーの役目とアウトサイドヒッターの二刀流で奮闘している。

１９０センチを超える外国チームに対して、日本チームは徹底的にアタックをレシーブしてトスに繋げ、早いコンビネーションバレーで対抗しなければ勝機はない。とにかく相手攻撃をレシーブして上げることである。そして、セッター岩崎を軸とした速攻コンビネーションバレーで攻め返すことが勝利の道である。

古賀キャプテンを中心としたチームワークで団結し、徹底的に拾いまくって外国長身選手が根負けしてミスを出すようになれば日本のペースである。粘り強く拾って何度も攻め返し、拾って繋ぐバレーを展開すれば金メダルが見えてくる。